ブータン、後進国から先進国モデルへ
電車の中で、ゲームの画面や新聞などを横目で見る人を見ている人を見るのが好きです。
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幸せの国ブータン。近年話題になっている国だ。
一番のきっかけは3.11だろう。そこから、幸せに考える番組とかがメディアでは多く取り上げられてた印象だ。
「絆」というメッセージで気持ち悪いくらい人とのつながりが盛り上がってたと思う。
その時までは、失われた20年とかで、ヒゲ生やしたおっさんとかが好き好んで使い、国としての次への目標について見失っていた。何が幸せなのか、まったく見当がついていなかった。そんななか出てきたのがブータンが定義したGNHという概念。GNHとはお分かりの方も多いかと思うが、Gross National Happinessの略で、GDPというお金の価値ではなく、幸せの総量で国を評価しようという試みである。
※外務省HPより引用
これは1970年代に、先代の国王の提唱で始まったが、当時は弱小国が何いってやがるという感じかなと思う。それが今となっては、、右も左もわからなくなった先進国の灯火になろうとしている。
周回遅れだったランナーがいつの間にか、先頭になっているという感じだ。
前置きが長くなってしまったが、なぜこの話題をだしたかというと、↓の本を読んだからだ
この本で興味深いエピソードがある。
ブータンを観光するには、制限がある。代表的なものでいえば、個人旅行は無理で、必ずツアーを通さなければならず、しかも旅行ルートが決まっているとのことだ。その理由は前述のGNHに関わる生物多様性を守るためだ。(生物多様性について知らなかったら少し調べてみてほしい。世界的には地球温暖化と同じレベルで問題視されている。日本では、あまり注目されないが)そして、観光人口を制限するために、一日ごとに観光料がかかる。(だいたいツアー料金に含まれる)それが以前は100ドルくらいだったのが、ある日200ドルに値上げしたのだ。
これには、さすがのブータン好きの旅行者も嫌悪した。
ところが、そのエリートが言った答えは反対のものだった。旅行者が減ることで、地域資源への被害が小さくなるから良いことだ、と。
ここにブータンの教育水準の高さが伺える。
ブータンは小国である。ましてや中国とインドという世界的にも屈指の大国に挟まれている。そうしたなかで、周りから圧力を受けるのは当然である。しかし、それと同時に、海外との接触を受け入れすぎて、侵害されてしまったことも多数ある。アフリカの乱獲なんかも、その結果である。
そうした例を見ながら、ブータンでは教育に力を入れた。しかもGNHに基づく教育である。
先に述べた生物多様性も中学校の教科書で学ぶという。GNHについても当然習うのだろう。
資源も何もない国が生き残るには、独自の文化が必要である。そしてそれを伝える能力。その結果が教育になったのだろう。そしていま、世界の小国中でも、立派な存在感を出して、国として残っている。これはあまり誰も指摘しないけど、とてもすごいことなんじゃないかと僕は思う。だって、40年まえからすでに、将来必要とされる概念を編み出していたのだから。世界の小国がである。
結論としては、ブータンいきたいなーということでした。(検討したものの、5日でこみこみ50万くらいするからあきらめている…)
There is more to life than increasing its speed.
速度をあげることだけが人生ではない。 (ガンジー)